都市部フィットネスクラブの会員数増加策

演習カテゴリ: 売上改善・成長戦略 難易度: ★★★☆☆ 更新日: 2026年6月14日

【問題】

都市部で競合が増加し、会員数が減少傾向にある総合フィットネスクラブ(プール、スタジオ、マシン完備、月会費1.2万円、現在会員数3,000人)において、新規入会者を増やしつつ退会率(チャーンレート)を下げることで、会員数を20%増加させる具体的な戦略を立案してください。

思考のヒント

会員数 = 既存会員数 + 新規入会者数 - 退会者数。新規入会者の獲得(集客)と、既存会員のエンゲージメント向上(退会防止)の双方からアプローチします。特に『幽霊会員』の早期退会を防ぐアプローチに着目しましょう。

模範解答・思考プロセス

1. 現状分析と課題の構造化

フィットネスクラブの会員数推移は、以下の式で成り立ちます。

当月会員数 = 前月会員数 + 新規入会者数 - 退会者数(既存会員数 × 退会率)

現在会員数3,000人から20%増の3,600人(+600人)を目指します。
仮に月間の平均新規入会者が150人、平均退会者が180人(退会率6.0%)だった場合、会員数は毎月減少していきます。目標達成のためには、新規入会を月200人(+33%)に増やし、退会率を4.0%(退会者120人)に下げるという両輪の達成が必要です。

2. ボトルネックの抽出

  • 新規獲得の競合激化: 近年、月額3,000円前後の「24時間セルフ型ジム(Chocozapなど)」や「ヨガ特化スタジオ」が乱立し、総合ジムの『ライト層』が流出している。
  • 入会3ヶ月目の壁(退会原因): 入会したもののマシンの使い方が分からず、効果を実感できないまま足が遠のき、3ヶ月前後で退会する初心者が非常に多い。

3. 具体的な戦略プラン

戦略①:セルフジムに対抗する「パーソナライズ型初期サポート」による退会率低減

  • 入会後1ヶ月間のバディ制度(無料): 入会者全員に専属トレーナー(バディ)を割り当て、最初の3回まで無料カウンセリング、体組成測定、個別トレーニングメニューの作成、マシンの正しい使い方レクチャーを実施。
  • 「一人ぼっちで何をすればいいか分からない」状態を解消し、トレーニングの習慣化をサポート。入会3ヶ月以内の退会率を半減させ、全体の退会率を6%から4%以下に抑え込みます。

戦略②:総合ジムの強みを活かした「コミュニティ・スタジオ機能」の強化(新規獲得&継続)

  • 暗闇フィットネス、格闘技系エクササイズ、最新のピラティスなど、個人経営ジムやセルフジムでは体験できない高エンゲージメントな集団レッスン(グループレッスン)枠を拡充。
  • 会員同士やインストラクターとのコミュニティ意識を醸成し、「ここに通うのが楽しい」という感情的価値を作り出す。

戦略③:多様なライフスタイルに合わせた「ターゲット特化型プラン」による新規入会獲得

  • リモートワーカー向け「ワーク&フィットネス」プラン: クラブ内のラウンジを快適なWi-Fi・電源完備のコワーキングスペースに改装。仕事の合間にプールやサウナを利用できるプランを提供。
  • 夜間・休日限定の割引プランの精緻化: 混雑時間帯(平日夜)以外の時間帯の余剰キャパシティを埋めるため、午前中限定の「モーニングシニアプラン」や、土日深夜のみの「深夜セルフ利用プラン」を新設。

4. 実行後の予測シナリオ

初期サポートの徹底により退会率が劇的に改善(6.0%⇒3.8%)。また、コワーキングプラン等の新ターゲット開拓により新規入会数が月間220名へ増加。これにより、ネット増加数が毎月+100名となり、約6ヶ月で目標の+600名(会員数3,600人)を達成します。

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執筆者:ケン (Ken) - 共同代表・統括編集

大学卒業後、総合コンサルティングファームに入社。金融、通信ハイテクなどの業界にて事業戦略からITプロジェクトまで幅広く参画。コンサル転職の志望動機・職務経歴書添削、ケース面接の模擬面接コーチングを多数実施。

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