プロ野球球団のスタジアム売上改善
【問題】
観客動員数が頭打ち(年間約150万人)となっているプロ野球球団において、スタジアム(本拠地)での顧客1人あたり平均消費額(ARPU)を20%向上させる施策を提案してください。
思考のヒント
スタジアム内消費 = 飲食(フード・ドリンク) + グッズ + チケットアップグレード + 体験アトラクション。試合の勝ち負け(アンコントローラブルな要素)に依存せず、ファンがスタジアムでお金を使いたくなる仕組みを設計しましょう。
模範解答・思考プロセス
1. 現状分析とARPUの構造化
スタジアムにおける観客1人あたりの平均消費額(ARPU)は、以下のように分解されます。
ARPU = チケット付加価値単価 + 飲食(フード・飲料)単価 + グッズ購買単価 + その他体験サービス単価
現在、観客1人あたりの試合日平均消費額が5,000円と仮定した場合、目標は6,000円(+1,000円)への引き上げです。試合の勝敗に関わらず、スタジアム滞在時間(平均4〜5時間)全体の体験価値を高めるアプローチを取ります。
2. ボトルネックの抽出
- 売店の混雑・行列: イニング間や試合開始前に売店が極度に混雑するため、購入を諦める「機会損失」が大量に発生している。
- グッズのマンネリ化: 定番のレプリカユニフォームやメガホンを買った後は、リピーターファンが新しいグッズを買う動機が薄い。
- ライト層・ファミリー層の退屈感: 熱狂的ファン以外にとって、試合展開が遅い時間に退屈し、早期帰宅してしまう。
3. 具体的な改善施策
施策①:モバイルオーダー導入による「購買機会損失の解消」と「飲料単価向上」
- 座席からのスマホ注文システム: 専用アプリから座席に座ったままビールやフードを注文・事前決済し、売店での受け取り専用レーンで待たずに受け取れる(またはVIP席へデリバリーする)システムを導入。
- これにより、行列による諦め率をゼロにし、特に混雑するイニング間での「もう1杯」の注文を喚起(飲食ARPU:+400円)。
施策②:『選手活躍連動グッズ』と『スタジアム限定アパレル』によるグッズ単価向上
- 即時生産デジタル・プリントグッズ: その日の試合でサヨナラ打や初本塁打を放った選手の「名場面Tシャツ」を、試合終了直後からスタジアム店舗およびオンラインで受注販売。
- 普段使いできるスタジアム・アパレルブランドの立ち上げ: 球団ロゴをあえて小さくあしらった、日常でも着られるセレクトショップ風の高単価パーカーやキャップを展開(グッズARPU:+300円)。
施策③:スタジアムの「テーマパーク化」による滞在時間延長とファミリー消費創出
- ライトスタンド裏やバックスクリーン裏のデッドスペースを活用し、子ども向けのアトラクション遊具エリアや、クラフトビールの醸造所・バーカウンターを設置。
- 試合前2時間からスタジアムを開放し、試合を見るだけでなく「球場で美味しく飲み、遊ぶ」体験を提供(その他体験ARPU:+300円)。
4. 数値目標と実行検証
モバイルオーダーの導入によって飲食の回転率が20%向上し、限定アパレルの導入で客単価が上昇。結果として、観客1人あたり+1,000円(ARPU 20%増)を達成します。初年度は混雑緩和のモバイルオーダーを一部座席でスモールスタートし、効果を確認したのちに全席へ拡大します。
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